第十六候 葭始生(あしはじめてしょうず)

エッセイ

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第十六候 葭始生(あしはじめてしょうず)
4月20日〜4月24日頃

葦の芽が、水の中から角のように突き出してくる時期
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春を契機に浮かんだ詩、3首。

 

ふと見ゆるひとのやさしさ明日葉のごと

詞書:ふと出逢う、ひとのやさしさに救われる。そんなことが、明日葉のように今日も明日もあればいい。あらゆる人のもとに。

 

今出逢いかつて出逢いし君の影 忘れな草に記憶のひかり春霞

詞書:死をもって全て終わりに思うべきだろうか。君の面影は忘れようと思って忘るるものでもない。おぼろな霞の中に漂うように、あなたのくれた眼差しのひかりは時の中を響き続けている。

 

祈りとは存在のくすみの緩和薬あらいやすりに抗するやすり

詞書:(過去の詩作から)。水から突き出た葦の芽は、錐(きり)に例えられる。そうしたら、春のひかりは鑢(やすり)だろうか。生きることはくすむこと。私たちは死ぬ迄に、どれだけくすみに抗うことができるだろうか。

 

 

 

 

 

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参考:山下 景子(2013年)『二十四節気と七十二候の季節手帖』成美堂出版https://www.seibidoshuppan.co.jp/product/9784415314846

(晩春、穀雨・初候、第十六候 葭始生(あしはじめてしょうず))

プロフィール

1992年生まれ。京都在住。
精神保健福祉士、文筆家、英語講師、ライティング講師。
英語や京都、メンタルヘルス分野を中心に、企業等でフリーランスとして執筆を行なう。
また、塾や就労移行支援施設で講師として活動している。
ライティング、英語、英会話、カウンセリングの個別相談にも対応。
TOEIC920点、精神保健福祉士(国家資格)を保有。
死生観について在野、たまに在学で思索中。
趣味はチェロやギターの演奏、紅茶、京都散策、建築探訪、美術館巡り。
(撮影:橋本優馬)

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Nika Nishimura

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