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第十六候 葭始生(あしはじめてしょうず)
4月20日〜4月24日頃
葦の芽が、水の中から角のように突き出してくる時期
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春を契機に浮かんだ詩、3首。
ふと見ゆるひとのやさしさ明日葉のごと
詞書:ふと出逢う、ひとのやさしさに救われる。そんなことが、明日葉のように今日も明日もあればいい。あらゆる人のもとに。
今出逢いかつて出逢いし君の影 忘れな草に記憶のひかり春霞
詞書:死をもって全て終わりに思うべきだろうか。君の面影は忘れようと思って忘るるものでもない。おぼろな霞の中に漂うように、あなたのくれた眼差しのひかりは時の中を響き続けている。
祈りとは存在のくすみの緩和薬あらいやすりに抗するやすり
詞書:(過去の詩作から)。水から突き出た葦の芽は、錐(きり)に例えられる。そうしたら、春のひかりは鑢(やすり)だろうか。生きることはくすむこと。私たちは死ぬ迄に、どれだけくすみに抗うことができるだろうか。
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参考:山下 景子(2013年)『二十四節気と七十二候の季節手帖』成美堂出版https://www.seibidoshuppan.co.jp/product/9784415314846
(晩春、穀雨・初候、第十六候 葭始生(あしはじめてしょうず))
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