第六十三候 鱖魚群(さけのうおむらがる)

エッセイ

二十四節気 七十二候
12月17日〜12月21日頃
第六十三候 鱖魚群(さけのうおむらがる)

鮭が群れをなして川を上る時期

鮭は一生の大半を海で過ごすが、産卵のときだけ、自分の生まれた川へ戻ってくる。
私も川へ戻るときがあるのだろうか。

都会という海に出た頭で、ぼんやりとそんなことを考える。
「狭い水槽に閉じこめられた魚は互いを傷つけ合うが、広い海では魚はそんなことをしない」とさかなくんが言っていたことを思い出す。

魚でも生きづらいことがあるのなら、人間にはよほどだろう。

思うのは、生まれた川はなにも、狭い水槽でなくてもいい。
狭い水槽に生まれたからといって、そこに帰らずともいい。
自分が帰りたい場所を生まれた川にすればいい。

 

 

 

 

(仲冬、大雪・末候、第六十三候 鱖魚群(さけのうおむらがる))

プロフィール

1992年生まれ。京都在住。
精神保健福祉士、文筆家、英語講師、ライティング講師。
英語や京都、メンタルヘルス分野を中心に、企業等でフリーランスとして執筆を行なう。
また、塾や就労移行支援施設で講師として活動している。
ライティング、英語、英会話、カウンセリングの個別相談にも対応。
TOEIC920点、精神保健福祉士(国家資格)を保有。
死生観について在野、たまに在学で思索中。
趣味はチェロやギターの演奏、紅茶、京都散策、建築探訪、美術館巡り。
(撮影:橋本優馬)

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Nika Nishimura

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