第六十六候 雪下出麦(ゆきくだりてむぎのぼる)
1月1日〜1月4日頃
雪が積もる中、麦の芽が伸びる時期
12月から1月に変わり、年がひとつ変わることを人が祝う時期。
雪が降る中、越年草の芽が伸びる時期。
一年の目標や、抱負を聞かれる時期。
目標を持ったり、新しいことを始めたほうがいいのかな、と思わされる。
何を目指そう。
何を始めよう。
でもふと振り返れば私は、生きるということをしてきた。
それがとてもできそうにない時も、してきた。
生きるということに、悩まないひとはいるのだろうか。
いる、と聞いたことがある。
私にとってそれは瑞獣、麒麟のような存在に感じる。
あるいは渾沌か。
雪下出麦(ゆきくだりてむぎのぼる)。雪の下から麦の芽が伸びるとき、根もまた伸長しているだろう。
上に伸びるものがあれば、下に伸びるものもあるだろう。
私は上ではなく、下を見つめてみたい。
麦の芽を見つけることは喜ばしい。
ただ、麦の芽吹きを支える事象について、考えたい。
麦の種。
土。
水。
風。
陽。
微生物。
星の動き。
ひと。
土。
水。
風。
陽。
言葉。
居場所。
つながり。
祈り。
芽吹きを支える内面の色調の変遷を、それを見る眼を、知識を、在り方を、知っていきたい。
(仲冬、冬至・末候、第六十四候 第六十六候 雪下出麦(ゆきくだりてむぎのぼる))
コメント