ーーーーー
第一候 東風解凍(はるかぜこおりをとく)
2月4日〜2月8日頃
春を連れてくる風が氷をとかす時期
ーーーーー
季節は立春を迎えた。けれど実際のところ、まだまだ寒い日和が続く。お昼間に窓から差す陽に春を見れど、晩にはそんな気配はどこへやらという気がする。
1月と2月のこれまでは、どことなく調子の悪いまま過ごしている。生きているとしばしばあることだが、理由もなく心が沈んで、動けなくなるときがある。そんなときには、ただただ動かずにいることも多い。
それでも、少し動けるようになってきたときに散歩をしたり、楽器を触ることをしてみている。
遅く起きて、京都御所の中の林に足を向けると、頬に当たる陽の柔らかさや木々のやさしさ、こもっていない風の透明さに触れて、少し深く呼吸できるように思う。
チェロに触れて音を鳴らしていると、思うように弾けているときは、響いてくる空気の振るえに包まれて、世界から距離を置いて休むことができるように思う。
立春の第一候は、春を告げる風が薄氷をとかす頃。私の胸底に残る薄氷も、陽のあたたかさと共に、穏やかに水に変わってくれたら、と願う。
(初春、立春・初候、第一候 東風解凍(はるかぜこおりをとく))
コメント